- これからセブ島留学を考えていて、フィリピン人英語の訛りに不安があるひと
- フィリピン人講師の多いオンライン英会話をやってみようか考えているひと
ネイティブじゃないけど大丈夫かな?フィリピン人の英語力や発音、訛りって実際どうなの?といった疑問に答えていきたいと思います。
●記事の信頼性
この記事を書いている私は、フィリピン留学を経験し、今はフィリピン人と一緒に仕事をしています。今まで話してきたフィリピン人の数は150人以上なのでフィリピン人が話す英語について訛りや発音を肌で実感しています。
●記事の内容
- フィリピン人の英語力の高さ
- フィリピン人英語の訛りと発音
- そもそもネイティブスピーカーから学ぶ必要はあるのか
フィリピン人の発音、訛りの良し悪しに加え、フィリピン人から英語を習得する意味についても踏み込んでいきたいと思います。
フィリピン人の英語力
英語を話す人口が世界5位
フィリピン人の英語力の高さを表す指標として、英語を話す人口をランキング化したものを見てみて下さい。
参考»List of countries by English-speaking population
このデータによると、フィリピン人は英語を話す国として世界5位になっています。ネイティブであるアメリカを除くと、インド、パキスタン、ナイジェリアについで4位です。
また、人口に対する英語を話す割合で考えると、トップです。
余談ですが、インド人とシェアハウスをしたことがありますが日本人の僕にとってインド英語はアクセントが強すぎて聞き取るのにかなり苦労しました。インドで英語留学が流行らないのも納得です。

ビジネス英語では世界1位?
Business English Index(BEI)というビジネス英語力に関する国際指標の調査結果があります。2013年に実施されたものですが、大きな変化はないとみていいでしょう。
これを見ると、フィリピンは堂々の一位になっています!それだけ日常に限らずビジネスの場にも英語が浸透しているのが分かります。(ちなみに、英語ネイティブ国がトップでないのは、移民の人口が多いからだと推測されます)

参考»Business English Index(BEI)2013調査結果
なぜフィリピンの英語力がここまで高いのか?
もちろんフィリピンは、英語を第二言語として扱う国であり、タガログ語やセブアノ語など独自の言語を持っています。
フィリピン同士の会話はこれらの第一言語が主流です。
しかし、現地でセブ島留学に始めて行ったときに驚いたのが、現地で書かれている看板、飲食店のメニュー、webサイト、企業の広告、テレビ、全てが英語表記になっています。
更には、企業間の公的文書、政治家の声明なども全て英語が使われています。
それに加え、フィリピン人は小学校教育の時点で英語に力が入れられています。日本では、英語は英語の授業で学ぶのが当たりまえですが、フィリピンでは違います。
英語の授業に加え、国語の授業以外は基本的に英語で学んでいます。(数学や科学など)当然教科書にかかれている文章も英語。
このような教育的背景から英語が日常に溶け込んでいるため、英語の読み書きだけでなく、リスニングやスピーキング力も高くなったといます。
英語力が高いことは誇らしいことですが、フィリピンでは、第一言語の存在価値が薄れることを問題視されるほどです。
フィリピン人英語の訛りと発音

フィリピン人の英語力が分かったところで、フィリピン英語の訛りや発音について見ていきます。
アメリカ英語を真似して話されている
フィリピン人が話す英語は歴史的背景から、ナチュラルなアメリカ英語を真似して話されています。なので第二言語として英語を話す国の中では、キレイな発音をします。しかし、第一言語はあくまでタガログ語やセブアノ語です。そのためフィリピン人が話す英語に多少の訛りはあります。
しかし、他のアジア諸国で英語を話す国に比べると圧倒的に発音の良さと訛りの少なさを感じます。私は実際にインド人とシェアハウスをしていたことがありますが、彼らよりもナチュラルでアメリカ英語に近い発音をします。
また、シンガポールも英語が話せる人口として有名ですが、「シングリッシュ」と言われるほど言語がミックスしていたり訛りの問題があります。
これらの理由から、フィリピンのセブ島留学が流行っているのも納得できます。
人によって訛りと発音レベルの差が大きい
フィリピンの英語講師でも全員がネイティブと遜色のない流暢な英語を話せるかというと、そうではありません。現地語の訛りはもちろんですが、スペイン語系や中国語の訛りを持つ講師などもおり、訛りの度合いや訛り方も講師によって様々です。
フィリピン人も流暢とはいえ、臨界期を超えてから英語を学ぶ人がほとんどですので訛りは少なからずあります。
またフィリピンは発展途上国であり、十分な教育を受けられていないこどもたちも沢山います。タクシーのドライバーや土方の仕事をしている人なんかですと、リスニング力は高いですが上手く話せないというひとも珍しくありません。
英語をネイティブから学ぶ必要はあるか?
大学生や高校生の中には、フィリピンは発音や訛りが気になるからネイティブスピーカーと話せるアメリカやカナダ留学がいいと言うひとが多いと思います。実際にネイティブから学ぶ必要性について、フィリピンで2年とオーストラリアで1年生活してきた私なりの意見をお伝えします。
ノンネイティブの人口の方が多い
世界の英語を話す人口は、17.5億人と言われていますが、そのうちネイティブの人数は、3.9億人です。たったの22%、、
残りの78%は、ノンネイティブです。つまり英語を話す人の8割が訛りを持っているということです。
アメリカ人、イギリス人が話す英語がネイティブに変わりはありませんが、8割の人が訛りを持っていると考えると、何が正しい発音や訛りなのかは定義しづらくなっているのではないでしょうか?
英語は世界共通言語で、色んな国の人が話すので訛りがあって当たりまえと考えるのが妥当だと思います。
ハリウッド映画や有名な洋楽はネイティブが話し、歌っているので、それらの影響から、アメリカ人イギリス人あるいはカナダ人などのネイティブが話す英語が絶対的に正しく正義であるという風潮があるのかもしれません。
訛りや発音を気にするほど英語力が高いのか?
訛りや発音を気にするひとに伝えたいのが、「訛りを気にするほど英語力が備わっているのか?」ということ。
訛りを気にする前にやるべきことは沢山あります。文法、構文、単語力、熟語、コロケーションなど。これらの英語の基礎を固め、スピーキング力が上がってから訛りを気にしたらいいのではないでしょうか?
オーストラリア留学中にブラジル人やタイ人、ベトナム人がいましたが、彼らは訛りを気にする様子もなく、堂々と話していました。日本人は真面目な性格なのか見本に忠実でなければいけないという妄想から、訛りを気にする人が多いです。
残念ながら、臨界期を超えてから英語を勉強している人は、耳が第一言語に染まりきっているので、日本人の英語訛りをなくそうと思っても限界があり、必ず訛りは出てしまうものです。
なのでネイティブから教わらないとダメだという幻想は捨ててほしいと思います。日本人から教わっただけ、独学だけでネイティブと対等にコミュニケーションを取れるひとも沢山います。
日本人が持つサムライアクセントも特徴のひとつとしてポジティブに捉えてみてはいかがでしょうか。
英語初心者にフィリピン人講師はおすすめ
最後に、オンライン英会話でも多くの人が在籍するフィリピン人講師について伝えて終わります。
フィリピン人講師のメリットはいくつかあげられます。
私の実体験ですが、ネイティブのオーストラリア人講師は、「ゆっくり話して!」と言っても結局ゆっくりは話してもらえず、チンプンカンプンになってしまうことがよくありました。しかしフィリピン人講師は、第二言語として英語を習得する人の気持を身を持って知っているので、ゆっくり話してももらうことができます。
なので語彙力や文法、リスニング力が乏しい初心者に取って、ゆっくり話してもらえるというのはメリットになります。
フィリピン人のフレンドリーさについては「フィリピン人の魅力」の説明記事も参照下さい。
しかし前述の通り、訛りやスピーキングの速さは人によって様々です。その点はデメリットになりますが、自分の英語レベルに合わせて講師を選ぶようにしていくといいと思います。
本日は以上です。また次回の投稿で。